特集記事

理路雑然 /-79-

2017年03月18日(土)

特集記事

理路雑然

小学生の頃社会の授業で長崎が誇るものとして、漁業の水揚げ高、石炭の採掘量、造船の製造トン数、観光と教わった。当時は産業と人口には密接な関係があり、軍艦島(端島炭鉱)などは最盛期、5000人を超しており、人口密度が東京の9倍以上(世界一)だった  

近年は別の要素が複雑に人口に影響している。少子高齢化、都市圏への人口移動、大資本による地域産業の淘汰、グローバル化やインターネット、非正規雇用の拡大、遅れた人口対策などだ。特に地方の人口減は加速化し深刻だ  

2050年の国内人口増減状況予測のデータを見た。全国各地点(1平方㌔㍍毎)では人口が半分以下になる地点が6割を占める。市区町村では人口規模が小さいほど減少率が高い。我が県などは50%以上減少しそうだ。人口動態予測では65歳以上の高齢人口は増えても、労働人口は頭打ちから減少化に転じる。国全体でも2040年には、総人口は一億人を割り今世紀末には半減化する  

我が県は資源や製造業に期待できる余地は少ない。残された道は、観光と情報関連、交流拠点整備などだろう。金沢市のように「終着駅」を活かさない手はない。「終着駅長崎♪嘘をつかれたことより約束を忘れられたことが少し悲しい♪」(前川清)。ハワイやシンガポール、沖縄は元々何もなかった。訪れる人の視点に立ち徹底的なサービスを整え、かつ宣伝する行政施策が今の繁栄を作り上げた。人口減少の兆候に恐れ、マイナス指向に陥ることなく、世界と日本の将来の姿を予測しやっていこう。


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